幸せのカタチ


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場転・翌日 登校


颯太「で、どうすんだよ?」

慧斗「何が〜?」

颯太「いや、瑠奈に聞かれちまっただろ」

慧斗「あ〜、うん、そうだね〜」

颯太「そうだねってお前…」
  「ん?おい、前に居るのってあれ瑠奈じゃねぇか?」

慧斗「え?あ、ほんとだ〜」

颯太「お〜い、瑠奈〜!」

瑠奈「?け、慧斗!?」


 慧斗の顔を見た途端走って逃げ出す瑠奈


颯太「あいつ…」

慧斗「逃げられちゃったね…」

颯太「あからさまに避けてるな…」

慧斗「うん…あはは」


場転・帰り道


颯太「結局瑠奈の奴、朝だけじゃなくて今日一日避けてたな…」

慧斗「そうだね」

颯太「いいのかよ、昼休みは屋上に来なかったし」

慧斗「お弁当はちゃんと渡してもらうようにしたから平気だよ?」

颯太「そういうことじゃなくて!」

慧斗「うん、わかってるよ?このままじゃダメだって、でもこのまま避けられてればいっそのこと諦めがつくかもって…」
  「臆病かも、しれないけど…本当に告白なんかしてその答えを聞いちゃうのが…怖くて仕方ないんだ…」

颯太「それってよ、結局怖いからって逃げて失わなくていいもんまで手放そうとしてるだけだろ?」

慧斗「そうかもしれないね…でも、避けられちゃってるし、話すのも何だか怖いんだ…」

颯太「慧斗…お前が話せないっていうなら俺が瑠奈と話す、瑠奈にお前とちゃんと話すように言う」

慧斗「颯太?」

颯太「あきらめるにしろなんにしろ自分でちゃんと話してから決めろ」
  「じゃなきゃお前にとっても瑠奈にとってもいい結果にはならないだろ?」

慧斗「そっか…そうだね…」

颯太「まあ、とにかくちゃんと話せよ」
  「その後で、何をしようとお前が考えて決めたことなら何も言わねぇよ」

慧斗「うん、ありがとう」