幸せのカタチ


2


場転・教室
 チャイムの音


颯太「んあ〜、終わった〜」
  「やっと帰れる」

慧斗「そうだね〜」
  「じゃあ瑠奈のとこに行って、ささっと帰ろう?」

颯太「おう、けど昼ん時の瑠奈は面白かったな〜」
  「愛とか聞くだけであせっちゃって」

慧斗「まあ免疫ないからね〜」

颯太「免疫ないって言ってもあせりすぎだろ」

慧斗「あはは〜確かにね」

颯太「あ、そういや、お前はもう告白したのか?」

慧斗「え?」

颯太「え?じゃねぇよ、好きなんじゃないのか?瑠奈のこと」

慧斗「あはは〜バレてたんだ」

颯太「そりゃあな、鈍感でもないかぎり気づくだろ」
  「んで、どうすんだ?好きなら告白とかするんじゃないのか?」

慧斗「う〜ん……そうなんだけどね……」

颯太「何か問題でもあるのか?」

慧斗「瑠奈はさ……素直で、不器用で…悪く言っちゃえば単純でしょ?」
  「たぶん気づいてないし、それに、急にそんなこと言ったら瑠奈は困ると思うんだ」
  「僕が黙ってれば瑠奈は気づかないと思うし」

颯太「それでいいのか?」
  「お前はあいつが好きなんだろ?」

慧斗「ん〜けどね、やっぱり、僕が黙ってるのが一番いいと思うんだ」

颯太「そうか?…まあお前が本当にそれでいいってんなら…」
  「俺はもう何も言わねぇよ」

慧斗「うん、ありがとう、颯太」

颯太「いや、俺は別に……何もしてないしさ」

慧斗「ううん、颯太とこうやって話できただけで僕はいいんだよ」

颯太「そうか?ならいいけどさ」

慧斗「うん、さあ、教室で待ってるだろうし、瑠奈のとこ行こ?」

颯太「おう」