青さと若さと過ちと


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場転・喫茶店


春樹「……」

旭日「無言で入ってくるなよ……」
    「上手くいかなかったのか?」

春樹「友達には見損なったって言われるわ、柊木をまた泣かしちまった」

旭日「ん?わけわからん、ちゃんと渡したんだろ?」

春樹「一応」

旭日「一応ってどういうことだよ」

春樹「いや、顔あわせづらくて、友達に渡してもらった」

旭日「お前、何やってんだよ」

春樹「え?」

旭日「そりゃ、見損なわれもするし彼女泣かすわ」

春樹「どういう……」

旭日「なんで彼女が泣いたかわかるか?」

春樹「まだ、あの時のこと気にしてる……のか?」

旭日「違うな」

春樹「じゃあ、じゃあなんで……」

旭日「お前が、お前が直接渡しにいかなかったからだろ」

春樹「俺が、渡しに行かなかったから……?」

旭日「お前は何がしたかったんだ?菓子を渡して謝りたかったんだろ?お前の気持ちをつたえたかったんじゃねぇのか?」

春樹「……」

旭日「気持ちを伝えるってことは、簡単なようで難しい、少なくとも会わずにできるほど、簡単じゃない」
  「確かに、恥ずかしかったり、伝えにくいことだってある」
  「けど、それでも伝えなきゃなんねぇことがあるんだよ」

春樹「伝えなきゃならないこと……」

旭日「それがわかんないなら、彼女を傷つけるだけだ」

春樹「……」

旭日「んで、どうするんだ?」

春樹「……もう一回、菓子の作り方教えてくれ」

旭日「わかったんだな?」

春樹「ああ、ちゃんとまっすぐぶつかって伝える」

旭日「それでいい、じゃあ作るか」

春樹「ああ」

旭日「あ、それと、そう決めたならその友達ともちゃんと話せよ」

春樹「わかった」